ゾーイとウーゴの出会い(前編)

こんにちは、ママです。月日の過ぎるのはとても早く、ゾーイとウーゴ、パパとママが家族になってもう3年がたちました。3年前は二人ともまだまだ赤ちゃんらしい風貌が抜けきらず、かわいい盛りでした。今もとってもかわいいですが、赤ちゃんの頃のかわいさは別格ですよね。過去には戻れないから余計に、愛おしく感じます。

今回から二回、ゾーイとウーゴがどのように出会い、どんな紆余曲折を経て仲良くなっていったかについて、お話しします。多頭飼いを検討している方や、多頭飼いで同じような悩みを持つ方のために、少しでも参考になれば幸いです。

ウーゴが我が家に来たとき、用意した部屋にしばらく一人で暮らしてもらい、ゾーイとの初対面に備えました。もちろん、猫として抜群の嗅覚、聴覚を持つゾーイが気づかないわけがありません。お部屋の向こうには誰がいるんだろう・・・興味津々でふすまの隙間から覗いていました。声を出すのでもなく、ふすまをカリカリひっかくのでもなく、一日中、何日もかぶりつきでふすまの隙間から見ていたのです。ママは「そんなに見ていて飽きないのかな?不安なのかな?」と心配しつつも疑問に思ったものです。

ゾーイは人に愛嬌を振りまくのが大好きで、夜中にはママの髪を毛繕いしてくれるほど世話好きでもあったので、ウーゴとの対面も母性が出てうまくいくかな、と思っていました。でも、念のため、ウーゴのために用意したキャリーバッグやソフトケージなどを事前に出しておいて確認させるなど、できる準備はしてきました。

ところが、ふすまの向こうでウーゴが鳴くと時々うなり声が聞こえたような・・・。気のせいかと思いましたが、やっぱりゾーイが軽くうなっています。数週間たって、試しにウーゴをキャリーケースに入れて対面させたところ、ウーゴは甘えてクルル、クルルと鳴いているのですが、ゾーイは中を覗いたり飛びすさったり、ウーゴが動くとうなったりして、パパとママは頭を抱えました。ああ、切ない片思い。でも、時間をかけて少しずつ両思いになっていってもらうしかありません。

キャリーケースでの対面を経てソフトケージ越しでの対面に移りましたが、今度はゾーイはケージの上に乗ってウーゴを見下ろして、わざとではないものの、自分の重みでソフトケージをひしゃげさせてしまい、ウーゴが怖がってしまうなど、やっぱりお互いの息の合わない日が続きました。獣医さんに「ゾーイにとってこの家が世界のすべてだからゾーイを一番に扱ってあげて」と言われたこともあり、わかってはいたものの、ママは「これはゾーイが望む状況ではないんだな」と罪悪感に襲われました。

ウーゴが我が家に来た当初、体調に問題があったため、夜はパパとママが交代でウーゴと一緒に寝ました。昼間は相変わらずゾーイがかぶりつきで見張っています。ゾーイと遊んでからウーゴと遊び、お互いがパパ、ママと遊んでいるところをのぞきっこさせたり、お互いのおもちゃを交換してにおいになれさせたりと、インターネットに載っている先輩飼い主さんたちの体験記を参考に、いろいろなことを試しました。

のぞきっこの時には、のぞいている方に向かって穏やかに話しかけて、ふすま越しでも一体感が出るように工夫してみました。対面の時には、ゾーイとウーゴを交互に触ってにおいを交換したりもしました。そんなことをしているうち、ゾーイはふすまを開けようと手を差し入れるようになり、うなり声が小さくなるときもありました。でも、ウーゴを受け入れられないときもあり、ゾーイの心の中の葛藤が目に見えるようでした。ゾーイもつらかったと思いますが、ママもつらかったです。

また、この頃にはウーゴも、どんなにゾーイに甘えに行っても威嚇されることに腹を立てていたのでしょうか、もう我慢できないといった感じでアッと鳴いて飛びかかっていく姿を見るようになりました。ウーゴだって、せっかくクルルと甘えているのに、なかなか自分を受け入れてくれないゾーイに対して、「どうして」という思いがあったのでしょう。見ていてとても不憫でした。

そんなときは、ママは急いでおもちゃを持って出動です。みんなで遊んで少しずつ距離を縮めて・・・。でも、なかなかうまくいきませんでした。こればかりは、二人の気持ちの問題なので、どうしようもありません。これまで仲良しだったゾーイとママの距離にも変化が起きたように感じ、パパも心を痛め、四人それぞれにとって挑戦と罪悪感、寂しさの日が続きました。

初めて二人が仲良くしたのは、それから1ヶ月ほどたった頃でした。おばあちゃんがお泊まりに来ました。二人はそれぞれおもてなし(荷物のにおいチェックと遊びの催促)をしていましたが、お泊まりの最後の夜、ふと見たら、おばあちゃんの部屋のテーブルの下で、なんとゾーイとウーゴが手と足をくっつけて、寝ころんでいたのです。けんか以外でそんなにくっついているのを見たこともなければ、ましてや手と足をくっつけてるなんて。やっぱり、仲良しって楽しいね。これまでの試行錯誤が報われた気がして、うれしくてうれしくて、写真を何枚も撮ってしまいました。

これでやっと、仲良しさんへ向かって一直線、と思い、パパもママも本当に安心したものでした。ところが、波乱はさらに続きます。一体、いつになったら、誰にとっても苦しいこの状況から抜け出せるのでしょうか。

後編へ続く)