こんにちは、ママです。パパは毎朝お仕事に行く時、「猫バンバン」を欠かしません。冬場は特に、帰宅時のまだエンジンが冷え切っていない車に猫が入り込んで暖を取り、翌朝知らずにエンジンをかけて猫を傷つけてしまうという痛ましい事故のニュースを聞きます。パパの車にもエンジンルームに入り込んでいる猫ちゃんがいたら大変ですから、必ずボンネットをバンバンします。あ、でも、バンバンしすぎて猫ちゃんが怖がって出てこなくても困るので、「猫バンバン」ではなくて、ノックするように「猫トントン」しているんだそうです。今日は、ゾーイとウーゴのパトロールと、我が家を訪ねてくる地域猫のお話です。
ゾーイとウーゴのお仕事はパトロール。朝起きてきて台所のパパが小窓を開けてあげると、二人そろって「ネコネコパトロール」が始まります。外の垣根越しに車のエンジン音や人の話し声を聞いたり、垣根の切れ目を横切る自動車を見たりしています。誰が通っているのかな?何をお話ししてるのかな?と興味津々です。
でも、気候のいい時ならいいのですが、ウーゴは真冬でもこの習慣はやめません。ちょっと寒がりのゾーイは早々に引き上げます。パパとママも寒くなり、「ウーゴ、寒いから窓閉めようよー」と言っても閉めさせてくれません。パトロールが終わってやっと小窓から離れる時には、ウーゴの体は冷たくなっています。でも、ウーゴは毛が厚いせいか、あまり気になっていないよう。
午前中は、窓を開けた部屋の網戸越しに警備をします。二人のお気に入りは窓際に置いたテーブルの上。日も当たるし、高いところに上ると見晴らしがよくて、きっと気持ちがいいのでしょう。二人仲良く警備していることもあれば、場所を巡ってけんかすることもあります。
窓越しに警備する時には、万が一何かあってパニックになったゾーイとウーゴが網戸を破って逃げないよう、パパは網戸にワイヤーラティス(金属製の格子)を取り付けます。これがあると、テーブルの上に立ち上がって手をついても、直接網戸をひっかかずに済むんです。ワイヤーラティスの自重で網戸ごと外れることもありません。ワイヤーラティスの下半分には、ホームセンターで売っているプラスチック板(段ボールのようになっているもの)が取り付けられていて、地域猫と近距離で顔を合わせないようになっています。
この窓の外は、地域猫たちの通り道になっています。その中でもよく会うのが、濃いグレー(男の子)とシルバーグレー(女の子)のきょうだいと、茶白の男の子です。茶白の子は、はじめはシルバーグレーの子を思いっきり威嚇していました。体を大きく見せて、「うわ~お~」と唸っているのに、シルバーグレーの子はあまりこたえていないようで、「どうしちゃったのかしら」といった顔で、とりあえず体を小さくしていました。この場面に出くわすたびにハラハラしますが、いつになったら決着がつくのやら。
この様子を、毎回ゾーイとウーゴも心配そうな顔をして、網戸越しに見守ります。ゾーイとウーゴは、お互いを相手にけんかはするけれど、本当の実戦は怖いのです。ゾーイとウーゴの警備は、このときは遠くからひっそりと見るだけになります。
地域猫同士のいさかいも事なきを得て、当事者(猫)たちがどこかへ行ってしまうと、我が家にも平和が戻ってきます。ウーゴは、もう一つのお気に入りの、窓に吸盤でくっつけるタイプのベッドの上に移動して、警備を再開します。先ほどの警備で緊張したので、適度に狭くてリラックスできるこのベッドの中で、のんびりと警備します。外に人がよく通るこの場所では、ウーゴは垣根越しにチラチラ動く人影と話し声を堪能します。
ゾーイはこのとき、よく日が当たる部屋の背の高い本棚の上でリラックス・・・、いや警備をします。ノルウェージャンフォレストキャットの血が入っているゾーイは、ノルウェーの森のお姫さま。高いところが大好きなんです。お日さまが気持ちよすぎて、警備をしていてもついウトウトしてしまいます。さっきは地域猫のいさかいで緊張したしな。ウトウトしながら、12時になるのを待ちます。12時は自動給餌器からお昼ごはんが出る時間なんです。「ゾーイ、ウーゴ、ごはんだよ~」と自動給餌器のアナウンスが流れると、ゾーイはダッシュして食べに行きます。
猫にとっては、午前中が活動時間なのでしょう。ゾーイもウーゴもパトロールはせず、午後はまったり過ごします。最近見つけてしまったのですが、よくいさかいをしていた茶白とシルバーグレーの二人、今ではとっても仲良しで、なんと我が家のお庭でデートしています。日の当たる場所で二人くっついて寝転んでいる様子に、パパもママも心底ほっとしました。だから、仲良しは楽しいんだってば!
二人ともパパとママのことを覚えてくれたみたいで、見るとゆっくり目をつぶってくれます。写真も撮らせてくれます。時々茶白の子が一人でいることもありますが、そんなとき、「今日は彼女どうしたの?」なんて冷やかしてしまいます。お返事の代わりにゆっくりと目をつぶってくれるので、ママもゆっくり瞬きを返します。
夕方、車のヘッドライトが光る頃、窓につけたベッドからウーゴのパトロールが再開します。垣根越しに届く、キラキラ光るヘッドライトが面白いのでしょう。じっとして見つめています。たそがれている時の猫って、なんかすごく深いことを考えていそうで、哲学的ですよね。ママの手の届かないところへいっちゃったのかと、ちょっと心細くもなりますが、頼もしくもあります。でも、パトロールに飽きて、ベッドから降りてママに甘えてくる姿を見ると、やっぱりいつものウーゴだと思って安心します。そうやっているうちに、一日の「ネコネコパトロール」が終わります。二人ともお疲れ様でした。
ちなみに、濃いグレーとシルバーグレーのきょうだいは、地域猫の不妊・去勢手術をするTNRを経てお隣さんがお世話しているのですが、最近では茶白の子も一緒に、そのお家からごはんをもらっているようです。