ここにいるのは誰かな?

こんにちは、ママです。猫って狭いところが好きですよね。狭いところは暗かったり体が隠れたりするから安心するのでしょうか。我が家のゾーイとウーゴも例に漏れず、そういったところが大好きです。たまに、どこにも姿が見えず、呼んでも来ないので(いつもは二人とも、何度か呼んでいると「なあに~?」といった感じでそばへ来るのです)、どこへ行ったのかと探し回ることもあります。そういうときは、たいてい想像もつかないようなところにいます。

ゾーイは赤ちゃんの頃、家の中のいろんな狭い場所をママに教えてくれました。ベッドに敷いた毛布の中、ゴミ箱の中、アマゾンの箱の中(多くの猫ちゃんが、アマゾンの箱好きなんですってね)、ママがあげたフリースの服の袖の中、本棚の隙間や上、エアコンの上・・・。遊びが大好きで、思いも寄らない場所を探検して、ママを驚かせたものです。

小さかったゾーイは、ママのお下がりのフリースの服に入って、よく袖口からこちらを覗いていました。「ここにいるのは誰かな?」というのが合い言葉。外から服を爪でひっかいて、ゾーイを遊びに誘います。ゾーイは一生懸命ひっかいたあとを手で追い、捕まえようとします。ゾーイがゴミ箱の中で遊んでいるときに、その服をゴミ箱にかけて襟から中を覗くと、だんだん目が丸くなってきて、飛びかかってきました。ママは「これは誰だ?」と近くをひっかいて興味を引くこともあります。

ゾーイの爪で目を怪我すると困るのであまり顔を近づけませんでしたが、服を引っ張ってたるみをなくし、ゾーイからママがよく見えるようにしてあげると、目をまん丸にして興奮していました。飛びかかったはずみでゴミ箱ごとひっくり返ることもあり、そんなときは大笑いしてしまいました。たくましいゾーイはひっくり返ったことなんか全く気にしません。ああ、懐かしい。

小さい頃のゾーイは、ゴミ箱がとにかく好きでした。ゴミ箱の縁に足を掛け、手で体を支えながら絶妙なバランスで体の半分を中に入れて、チェックするのです。ゴミはビニール袋に入れて口を閉じてあるので、危なかったり汚かったりするわけではないのですが、クンクンにおいを嗅いでいました。こんな時は、ゾーイの方が「ここにいるのは誰(何)かな?」とチェックしていたのでしょう。何よりも、ピン!と伸ばした尻尾がかわいくて、一生懸命さがよく分かりました。

昔からゾーイはお布団の中に入ってくる子ではありませんでしたが、小さい頃は時々ベッドの中のママのそばに潜り込んできました。そっと毛布を上げると、とっても澄んだ無垢な目で、ママを見上げてきました。そんなとき、ママは、大切な宝物を見せてもらった気分になり、心が愛であふれたものです。ゾーイとママの、大切な思い出の一つです。

狭いところはいろいろあれど、ウーゴは、パパが一日お仕事をして脱いだワイシャツの中が大のお気に入り。お洗濯の前にえりそで汚れの洗剤をつけようと思って分けておいておくと、素早く中に潜り込み、パパのにおいを堪能します。ママが取ろうとすると、「これぼくの」と、体を張って抵抗します。

そのたびに、「これウーゴのじゃないよ、返してよー」と、ママと取り合いになります。ウーゴは爪を出して所有権を主張します。ワイシャツが破れると困るので、ママはウーゴの爪をそーっと一つ一つ外していきます。そうすると、今度は甘噛み発動です。ウーゴにはきつく噛まれたことは一度もないのですが、こういうときは、一瞬だけカプッとやってきます。でも、悪かったと思ってくれるのか、すぐに離してくれます。そうしてワイシャツを奪ったのも悪かったと思うらしく、未練を残しながらもワイシャツも返してくれます。ごめんね、ウーゴ。でも、洗わないときれいにならないの。

ウーゴはまた、ベッドのシーツを替えるときにやってきます。そう、シーツの中に入って遊ぶんです。こういうときも、「ここにいるのは誰かな?」と言いながら、指で頭や耳を触ります。「このお背中は誰だ?」「この尻尾は誰だ?」と言って背中や尻尾を一直線に指で触るともう大変、大興奮です。時々、ウーゴがいるのにシーツの四隅を全部掛けてしまいます。狭いと思うのですが、ウーゴは気にしません。ママはシーツを掛け終わったら別のことをしに行くのですが、一人で寂しくなると、ウーゴはシーツから這い出て追いかけてきます。

そのほか、ウーゴは洗濯かごに入るのが大好きです。ママの手が空いたのを見計らって、ぴょんと中に入ります。これはママとウーゴの遊びの合図、「タクシー」の始まりです。ママが運転手でかごを運ぶ係、ウーゴがお客さんになって、ブイーンブイブイーンと家中を歩き回るんです。かごが持ち上げられると、ウーゴはぺたんと座って出発準備完了、興味津々でかごの隙間の景色を楽しみます。時々パパやゾーイとすれ違うと一旦停止、ご挨拶をします。パパは「ここにいるのは誰かな?」と指を隙間に入れて、ウーゴとしばし遊びます。「タクシー」は、ママが疲れたらおしまいです。

元々はゾーイとそうやって遊んでいたのですが、最近ではゾーイはほんのたまにしかやりません。でも、「あたしもタクシー乗りたーい」と中に入ると、ママは何をおいてもタクシーを運転します。ゾーイは時々しかやらないので、最優先です。それに、放っておくと、タクシーに乗せてくれないのかと思い、出て行ってしまうんです。

ママが忙しくしていて、ウーゴがかごの中で待っているのに気づかないときもありますが、そういうとき、ウーゴは「ママー、ぼくタクシー乗る」と念を送ってきます。洗濯かごから目だけ出して、ワクワクしつつも少し恨みがましい目でこちらを見ているウーゴを見ると、待たせて悪かったなと思い、すぐに駆けつけます。ママって、まるで父親みたいな遊び方してるな。

狭い場所は、注意していないと危ない場所となっていることもあります。我が家では、二人が安心して狭い場所でリラックスできるよう、一つ一つこまめにチェックして、心配の芽をつぶしていっています。