や、どうも。~「俺、つしま」1・2・3巻の紹介

こんにちは、ママです。前回はママの好きなネコ本「人生はニャンとかなる!」を紹介しました。今回はパパとママの好きな漫画「俺、つしま」(おぷうのきょうだい 小学館)を紹介します。

「俺、つしま」は、これまでに3巻発行されています。この漫画との出会いはインターネットの紹介記事だったのですが、初めて見た時、猫の部分は写真を使っているのかと思っていました。でも、なんか違うようだし、でも、猫の部分だけ浮き上がって見えるし・・・。なんだか不思議な絵だなと思いました。

その後「猫の部分もボールペンや色鉛筆で描かれている」と書いてある記事を見つけ、びっくり。写真じゃないんだ。こんなにリアルに描けるんですね。なんでも、猫の絵はつしまの飼い主「おじいちゃん」の絵の50倍もの時間をかけているんですって。改めてまじまじ見てしまいました。確かに、「おじいちゃん」のテキトー感はすごいですもんね(笑)。全編カラーにしないとこの漫画のすごさが分からないので当たり前なのですが、3巻とも、全編カラーです。とっても贅沢な気分♪

さて、基本的な登場人物は、「や、どうも」でお話をはじめる猫のつしまと飼い主の「おじいちゃん」、同居猫のズン姐さん、「おじいちゃん」の家を立ち寄り場所にしているオサム、ちゃーの他、「やさぐれ会」いう地域猫会のメンバーやご近所の皆さん(人間)です。ママは「おじいちゃん」の大ファンです。おっちょこちょいな上に虫が大嫌いですぐに気絶してしまうけれど、猫たちのためにいつも一生懸命。本当に猫が大好きで大好きで仕方のない人なんだなあと思います。途中で猫たちの写真が出てくるので、「おじいちゃん」の家の猫たちは実在の子たちのようです(この写真は絵ではなく、本物です)。ページをめくって写真が出てくるたび、漫画の部分と見比べて感心してしまうので、なかなか読み進みませんでした(笑)。

第1巻では、つしまと「おじいちゃん」の出会いや共同生活の他、「おじいちゃん」と出会う前のつしまのことがちょっと触れられています。つしまを家に連れて帰り一生懸命お世話する「おじいちゃん」や、つしまと「びょんいん(病院)」の先生との格闘など、基本は抱腹絶倒です。でも、つしまの名付け親の「ジジイ」との交流や、ホロッと涙してしまうラストなど、面白いけれど実は奥の深いストーリーがちりばめられています。それに、全体を通して猫の行動や反応が忠実に描かれていて、「そうそう、猫ってこうだよね!」と共感するところがたくさんあります。

第2巻では、つしまが「おじいちゃん」と出会う前、古い友達のしず子とテルオと一緒に生きていた頃のお話が、「おじいちゃん」宅へ身を寄せた後の日常生活と絡めて描かれています。食べ物を巡る3人とお魚屋さんとの攻防など、テンポよく描かれている一方で、ここでも厳しい選択を迫られます。訳あって3人別々に生きていくことになるのですが、ラストで「これはテルオなの?」と狂おしいまでに確かめたい衝動に駆られ、すべてのテルオの絵を探して見てしまうほどでした。ママは、どの子にも幸せになって欲しいんです。

第3巻では、「やさぐれ会」が中心のお話です。まむしとかさそりとか狂犬とか、やさぐれ会にふさわしい(?)怖い名前の猫たちがメンバーです。名前の分からない「びじんおばさん」に、油断しているすきにかわいい首輪をつけられて、「やさぐれ会」で文句を言ったり、リーダーを決める選挙をしようと言ってもみんな聞いていなかったり、会の出席率が悪いので「びじんおばさん」の家にみんなで涼みに行こうかと相談しているところなんか、肩で風切る「やさぐれ会」メンバーの普段の姿とのギャップに笑ってしまいます。いや、こっちが普段の姿だったりして。

この第3巻を読んでいると、地域猫の「集会」がどんなものかがよく分かります。何かを決めようと思っても、みんなぼーっとしていて実は何も決まっていないんですね、多分。昔、一度だけ猫の集会を見たことがあります。10匹ほどの猫が、近くというほど近くにいるわけでもなく、でも何か一体感のようなものを醸し出しながら、みんな思い思いの方を向いていました。何のために集まっているのか、全く分かりませんでしたが、とっても神秘的な光景でした。ジロジロ見たら悪いと思って、ちょっと見ただけで立ち去ってしまいましたが、今でもはっきりと覚えています。案外、この漫画に描かれているように、「え、何が?」といったほのぼのとした感じなのかもしれないですね。

「俺、つしま」を読んでいると、地域猫は大変な思いをして暮らしているんだなというのが分かります。でも、ここに出てくるように、いい人間に出会うことによって、地域猫として幸せに暮らしていける猫もいるんでしょうね。そう思うと、我が家の近所の地域猫たちにも温かい視線を注いでしまいます。それにしても、やっぱり地域猫のダンジョカンケイは・・・、う~ん、いろいろとあるんだな、というのも、「俺、つしま」で分かります(笑)。

第3巻が出てから2年ほどが経ちます。ママは本屋さんに寄ると第4巻が出ていないかなと探すのですが、まだのようですね。YouTubeにはなんと短編アニメがアップされています(現在50話ほど)。どれもテンポよく作られていて、一話あたり2分程度でまとまっているので、隙間時間のリラックスにオススメです。漫画を読んですでに自分なりのイメージを持っている人は、新しいつしまの世界が広がるかも。

書籍情報

俺、つしま1 おぷうのきょうだい 小学館 2018年

俺、つしま2 おぷうのきょうだい 小学館 2019年

俺、つしま3 おぷうのきょうだい 小学館 2020年

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