地震、雷、・・・

こんにちは、ママです。お家の猫ちゃんは、苦手なものありますか?我が家のゾーイは雷、ウーゴは犬が苦手です。ちなみに、ママは地震、パパは黒くて光っていて、平たいあの虫(以下「あの虫」と呼びます)が苦手です。パパとママはいいんだけど、ゾーイとウーゴが怖がっているところを見ていると、落ち着かない気持ちになってきます。家族とはいってもやっぱり二人は「猫」なので、怖いときにはパパやママに頼るのではなく、自分でなんとかしようとします。そこが、不憫にも見え、無力感を感じるところでもあるんです。

いつもの繰り返しになってしまいますが、ゾーイは赤ちゃんの頃、天真爛漫でした。可憐で、愛くるしくって、パパとママを頼り、翻弄する存在でした。半年を過ぎた頃、夕立が止まず、夜まで雷雨になった日がありました。夕食後、パパとママが食卓で話していると、いつものようにゾーイが台所の小窓の枠にぴょんと飛び乗りました。その途端!ピカッバリバリバリッ!近くに雷が落ちたんです。“ピカッ”と光り、あっという間もなく“バリバリバリ”ときました。パパもママもびっくり。

光ったとき、ママはとっさにゾーイを抱きかかえて守ろうと思い、椅子から立ち上がろうとしました。でも、稲妻の早さとゾーイの反射神経にはもちろんかないませんでした。「ゾーイ、大丈夫だよ」と言う間もなく、ゾーイは枠から飛び降りて、居間の方へ逃げていきました。とっても怖かったのでしょう、逃げていくゾーイの目は黒目が大きくなっていて、文字通り必死でした。

その経験が、とっても怖かったのでしょう。それ以来、ゾーイはお空がゴロゴロいうと、落ち着かなくなります。押し入れを開けてあげると、中に避難します。逃げ道にウーゴがいると、「ちょっとあんたどきなさいよ!」と言わんばかりに、ウーゴを飛び越えて逃げていきます。いつもウーゴに優しいのに、いつもおっとりしているのに、どこにそんな力があったのでしょう?そんなゾーイを見て、ウーゴは「もしかして、雷って怖いものなのかしら」と思ったのでしょう。少し怖がるようになりました。

また、ゾーイは朝に聞こえてくる汽笛の音も怖がるようになってしまいました。雷と同じで、お空から音が降ってくるからでしょう。ママは汽笛がとっても好きなのですが、ゾーイには嫌われてしまったよう。根気よく、ゾーイには、あの音は怖くないんだよ。と言い聞かせます。

少しでも雷嫌いを治すため、パパもママも雷が鳴っても反応せず、会話を続けるようにしました。また、出張先でたまたま見つけた「雷」の古い字体があしらわれたマグネットを冷蔵庫に貼り、「このお守りがあれば雷なんか怖くないんだよ」と教えました。それと合わせて「雷なんか怖くない、こ~わ~く~ないっ!」と歌を作り、歌ってあげました(きっと何も効果はないと思いますが)。最初の経験以来3年ほど経ちましたが、今では押し入れに逃げるほど怖いものではないと分かってもらったようです。

ウーゴは、犬が苦手です。ウーゴがペットショップにいたとき、大きな声で鳴き詰めだった犬がいました。ストレスからなのでしょう、かわいそうに、ずーっと鳴いていました。ウーゴはチラチラその犬がいる方を見て、逃げようとしていました。ゾーイがペットショップにいた頃も同じように鳴き続ける犬がいましたが、ゾーイは全く意に介さず、平気でいました。猫の種類によるのか、個体差なのかは分かりませんが、いろいろなんですね。

それが今は、ワンちゃん平気になりました。動物病院は犬と遭遇することが多いのですが、キャリーケースの中にいるからでしょうか。おとなしくしています。たまに、犬が近くでスンスンすることがありますが、平気です。こうやって、二人とも、苦手なものを克服していくんですね。えらい!

そこへ持ってきて、へなちょこなのが人間チーム、パパとママです。ママは地震が怖いのですが、地震というよりも我が家が揺れるのが怖いのだと思います。大きな地震は経験したことありませんが、台風がきたときに我が家の二階部分が揺れました。何も言わなかったけれど、ママとしては、顔が引きつっちゃうくらい怖かったです。夜だったので、みんな寝室で寝たのですが、念のため、懐中電灯とスマホを枕元に用意し、眠くなるまでテレビをつけていました。

どこかで何かが剥がれたのでしょう。トタンのようなものが風に舞っている音が家の前で聞こえます。ゾーイはどこかに隠れて出てきません。きっとこれも、お空で何か起きたと思っていたのでしょう。ウーゴは平気でベッドの上でくつろいでいました。パパは非日常な気分になったせいか、目がらんらん、ママも心配で眠れませんでした。でも、ウーゴが普段通りでいてくれたおかげで、台風が過ぎる前に、眠りにつくことができました。いつもパパとママに甘えてばかりのウーゴがママを助けてくれた。嬉しくて、大きくなったなと感動しました。

もう一つ、ウーゴがママだけでなくパパのことも助けてくれたのが、「あの虫」騒動です。我が家では、季節が冬に向かう前、たまに「あの虫」が訪ねてきます。ママは虫が好きだけれど、「あの虫」にはできればこっちに向かってこないでほしいと思っています。また、生きているのは平気なのですが、死んでしまった途端に苦手になります。逆に、パパは、「あの虫」が苦手ですが、死んでしまったものは平気です。

「あの虫」の来訪は、ほとんどウーゴに教わります。ウーゴはとてもめざとく、パパとママが気付く頃にはすでに狩りをはじめています。まったく怖くないようで、目を輝かせて追い詰めていきます。ゾーイはそれほど興味がないようで、時々、「ああ、あそこにいるねー」とウーゴと隙間を覗きますが、狩りには参加しないでウーゴの様子を見ています。

あんなに黒くて、平べったくて、光っていて、触覚が長くて、足にヘンなギザギザがついてて、なかなか死なないし、ジグザグの怖い歩き方をして、でもまっすぐにこっちに向かってきて、・・・(「あの虫」の悪口ならいくらでも出てくる)なのに、怖くないの?どうして?

ちなみに、ママが前飼っていたシャム猫ちゃんは、「あの虫」を夜な夜な取っていて、おばあちゃんに感謝されていました。でもあるときから、姿を見ると一目散に逃げるようになってしまいました。残されたママとおばあちゃんは、キャーキャー言いながら退治しなければならなくなり、そのシャム猫ちゃんは遠くで心配そうに見るようになってしまいました。どうやら、シャム猫ちゃんは反撃されて鼻でも噛まれたのではないかと推測しています。

食べてしまうと困るので、見つけ次第、ママが殺虫スプレーを持って出動です。ゾーイとウーゴを離して、目がつり上がっちゃうくらい怖いけど(パパに「目がつり上がってる」と言われました。やっぱり、ママも苦手なんですね。)、的確にスプレーして短時間で決着をつけます。現場から追いやられたウーゴですが、隙間から首を伸ばして見ています。やっつけたら、パパの出番。割り箸とビニール袋を持って、速やかに回収し、フタ付きゴミ箱に直行です。こうして、我が家に平和が戻ってきます。

殺虫スプレーといっても、我が家では、殺虫成分が入っていないものを使っています。最近は-85℃の冷気が出るスプレーがあるんです。それで凍らせるんですね。いくら事後にしっかり拭いたとしても、どこに残っているか分からないし、エアロゾルとなって空中に停滞するだろうし、ゾーイとウーゴの体のことを考えると、無害な冷気が出るタイプの方がいいと思いました。効果は抜群で、たちまち凍ります。

でも、苦手なものがいない世界って、きっとないですよね。それに、「怖いよー」と猫が頼ってくれることもあまりない。ちょっとさみしいけれど、本来猫とはそういうもの。猫と人間の持ちつ持たれつで、これからもやっていくんだなと思います。

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