こんにちは、ママです。今日もゾーイとウーゴはご機嫌、午前中のパトロールを終えて、それぞれ好きな場所で休んでいます。ゾーイはママのそばの椅子の上、ウーゴはキャットタワーのハンモックの中。ゾーイは時々お耳が動くので、熟睡している訳ではなさそう。ウーゴはくるりんとしたお耳だけが見えていて、愛くるしさ爆発です。
ママは時々気になるんです。ゾーイとウーゴはママのこと好きでいてくれているのかしら?パパに聞くと、そんなこと全く気にならないそうです。「家族なんだから、絆は強いけどゆるっとした関わりあいになるんじゃないの?」と。その通り、と思いますが、ちゃんとお世話できているかしら?お世話しすぎでうるさいことないかしら?と、ママはまるでわざわざ心配の種を探して歩いているようです。
家に来たばかりの頃のゾーイは、ママに全幅の信頼を置いてくれていて、ママを本当のママと思ってくれているのがよく分かりました。夜、座椅子の背を少し倒してテレビを見ていると、ママの胸の上に乗ってきて毛繕いをしたものでした。寝室では必ずママの枕元に寝て、髪を毛繕いしてくれたり、顔をなめてくれました。暗い部屋の中、黒目を大きくしてママの髪を整えてくれている様子は、とっても優しい一コマでした。ママは、洗髪の時のトリートメントや洗顔後のスキンケアをゾーイがなめないようにするために、シャンプーや洗顔フォームをしっかりすすぎ、その後は何もつけずまっさらな状態でいるようにもなりました。
ソファーを新しく買って座椅子を使わなくなったとき、ゾーイはなぜかソファーの上には乗ってこなくなりました。もうママの胸の上ではくつろがなくなったけれど、その後もママの後をついて回って、ベッドでテレビを見るときにはママの横にぴったり寄り添って寝ていました。
実は、初めの数日はゾーイを一人で寝かせていました。パパとママは引っ越して間もなく、寝室の片付けが終わっていなかったのです。中には他の部屋から避難させた物があり、荷物の中に入り込んで何か危険なことがあってもいけないので、先に片付いた部屋にゾーイを寝かせていたのです。
でも、夜一人で寝ているゾーイが心配でたまらず、ママはよく起き出して、様子を見に行っていました。薄暗い中一人で健気に頑張っているゾーイがとても不憫で耐えられず、寝室の片付けを急いで、ゾーイを迎え入れました。ゾーイを一人で寝かせてしまったことは、パパにとってもママにとっても、今でも後悔している点です。
逆くしゃみや嘔吐してしまった時には、苦しいのか、ママの目を一心に見て、助けを求めていました。お医者さんなどでも、ママの姿が見えるとおとなしくしていたけれど、ママの姿が見えなくなった瞬間、ママを追いかけようとして、台から飛び降りてしまったこともありました。ゾーイにとって、ママはそういう存在なんだということがとても嬉しくて、何があってもこの子を守っていくんだ、と誓ったものでした。
ウーゴが来てからゾーイとママの関係性に変化が出てきました。ゾーイもママもパパも、ウーゴも含めた家族関係に修正していくのに、しばらく時間がかかりました。でも、ゾーイはウーゴのことを受け入れられず、ママに対しても距離を置くようになっていました。
近づくと逃げる、ナデナデをさせてくれない、そして、夜も枕元で寝てくれなくなりました。二人で遊んでいても、ママと目が合うとキャッといった感じで逃げていきます。でも、ママがウーゴのお世話をしていると、離れたところからじっと見る・・・。どうしたらゾーイが安心してくれるのか分からず、苦しい時期でした。
ママはウーゴ側についたと思ったのでしょうか、ゾーイはパパを頼るようになっていきました。パパが毎朝台所を閉めっきりにしてゾーイをなでてあげる時間を取るようになったのも、この頃です。天真爛漫なウーゴは、自分がかわいがってもらうのは当然と思っていて、ゾーイがかわいがってもらう時間も奪ってしまいます。ゾーイはウーゴの様子も伺うようになっていました。
そのため、ウーゴを台所から出してゾーイだけをなでてあげるのは、苦肉の策でした。これ以来、ゾーイはパパが台所にいるとナデナデをおねだりするようになりました。そんな様子を、ゾーイに距離を置かれたママは寂しく見ていました。でも、ゾーイがそう望んでいるんだから、受け入れよう。
一度だけ、ゾーイが枕元に来てくれたことがありました。ちょうどママが寝返りを打った時、ゾーイが枕元まで上がってきていたのです。ゾーイが来てくれた!ママは嬉しくなって、以前のように腕を回して体を抱いて、においをかごうとしました。でも、ゾーイはママが気付いてしまったので、そのまま逃げてしまったのです。まるで、枕元に上がってきてはいけないと思っているようでした。ママが寝返りを打たなかったら、気付いていないと思ってそのままいてくれたのかな。なんだか、とっても残念なことをしてしまった気持ちでした。
でも、ゾーイが変わらなかったことが三つありました。ひとつは、何かあると必ずママを見ることです。外で大きい音が鳴ったとき、インターホンが鳴ったとき、外で人や犬の気配がするとき・・・、必ずママと目が合いました。二つ目は、寝ているときはママに甘えてくれることです。一緒に寝てくれる訳ではないけれど、キャットタワーのハンモックで寝ているとき、夜自分専用のベッドで寝ているとき、お仕事をしているママのそばで寝ているときは、ママが撫でると気持ちよさそうにしてそのまま眠ってしまったり、おなかを見せたりします。
三つ目は、ウーゴに教育的指導をしてくれることです。ウーゴは、遊ぶ時や夜の運動会の時、人間がいるのを気にせずに踏んだり蹴ったりしながら飛び回っていました。寝ているママの顔を蹴ったり、熱い紅茶を飲んでいるママの膝の上を全速力で通って紅茶をこぼしたりしても、気にしませんでした。そんなとき、ゾーイはウーゴを追いかけて噛んだりたたいたりして、指導してくれます。さすがにそこまでされるとウーゴも分かるようで、だんだんと人間との間合いをはかって駆け回るようになりました。そんな出来事が重なって行くにつれ、ゾーイの心の中にはママがいると思うことができるようになりました。本当に、このときはそれだけが支えでした。
以前の記事にも書きましたが、いろいろな経験を経て、今ではゾーイとウーゴの快適な距離感も定まりました。ママにも甘えてくれるようになりました。こうなったのも、本当につい一年くらいのことです。猫のハウツー本やインターネットの記事に頼りすぎることなく、ゾーイ自身をよく見て試行錯誤したことで、ゾーイとの絆を取り戻せたのではないかと思います。何せ、毎日真剣勝負でしたから。
今も、ゾーイはママのそばで寝ています。お仕事部屋にいるときは、必ずこうしてママを応援してくれます。朝のご挨拶や、すれ違うときには必ずナデナデを待っていてくれます。ナデナデされるときには、目をつぶって顔を上に向け、本当に気持ちよさそうにしてくれます。そんな時のゾーイの上がり目は、とてもかわいいです。ゾーイ、ママのこと好きだよね?きっと・・・。
もしよかったら、過去の関連記事(ゾーイとウーゴの出会い(前編)、ゾーイとウーゴの出会い(後編)、ゾーイとウーゴの遊び、ゾーイとウーゴの遊び その後)も読んでみてくださいね。