猫ってこんなワルじゃないもん!~映画「キャッツ&ドッグス」の紹介

こんにちは、ママです。今日もゾーイは、ママの隣のいすでスヤスヤ寝ながらお仕事のお手伝いをしてくれています。頭をそっとなでると、「あたし今ねんねしてるの~」といった感じで、一生懸命寝ます。寝ている顔は、本当に天使みたい♡時々寝顔を見ながらのお仕事だけれど、とってもはかどります。

さて、今回は二本の映画「キャッツ&ドッグス」と「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」の紹介です。「キャッツ&ドッグス」は2001年に公開された犬と猫の戦いを描いたSFコメディ、2010年に公開された「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」はその続編で、登場する犬や猫の多くが引き続き登場します。CGやデジタル3Dの技術はまだ粗削りであるものの、テンポよくストーリーが進み、楽しめる映画です。

これらの映画では、犬が秘密組織を持っていて、猫族の侵略から人間を守るために、人間の家にエージェントとして送り込まれているという設定で、物語が進みます。「キャッツ&ドッグス」は、自身も犬アレルギーを持っていて、犬アレルギーの特効薬を開発しているブロディー教授を阻止するため、猫の親分Mr.ティンクルズが狙います。

Mr.ティンクルズにしてみれば、特効薬ができれば犬派が増えて猫は負けてしまうので、何としても研究を阻止しなければなりません。ひょんなことからブロディー教授の家に送り込まれた、エージェントではないビーグルの子犬ルーが、エージェントのブッチと一緒にMr.ティンクルズの陰謀からブロディー教授を守るために、ハイテクを駆使して戦います。

Mr.ティングルスはゴージャスな白いエキゾチック・ロングヘアー、お金持ちのお屋敷に住んでいます。悪役だからか、短いお鼻にしわを寄せていて、とっても極悪に描かれています。手下はちょっとおまぬけなエキゾチック・ショートヘアー。Mr.ティングルスが怖くて、気に入るような返事をしてしまったり、でも、後から勇気を出して本当のことを言ったりと、ママの好きな「憎めないキャラ」となっています。

でも、ママのお友達にはそれぞれエキゾチック・ロングヘアーとエキゾチック・ショートヘアーを飼っている人がいるんです。どちらのお友達の猫ちゃんもとってもおとなしい子で、とっーてもかわいがって飼っているんですが、そのお友達が、エキゾちゃんたちがこんな描かれ方をしているこの映画を観たら、卒倒してしまいそうです(笑)。

猫たちを従えて侵略を進めるMr.ティングルスは、お屋敷のメイドのおばさんのことは苦手。だって、かわいがり方が、お風呂に入れられたりおばさんとおそろいのかわいいメイド服を作ってもらったりと、「悪の権化」のイメージが崩れてしまうほどなんです。

メイドのおばさんが来る前の猫の会議で、食卓の上で威厳をもって演説していたのに、おばさんに捕まってお風呂に連れて行かれて、テーブルの下に隠れた手下の猫たちに笑われてしまうんです。本人は一生懸命「侵略」しているのに。最後にはそのおばさんに引き取られるのですが、おばさんにとっても似ている3人の姉妹が待ち構えていて、手作りのいろんな洋服を着せられて、なす術なしになってしまいます。

この「キャッツ&ドッグス」では、「猫=悪、犬=善」が明確に描かれていて、猫好きのママは不満です。飛行服を着ている時のマスクは、猫の細い顔と大きな目が目立つようなデザインで、見るからにワルな感じ満開。うちのゾーイとウーゴはもっと純真で、かわいくて、素直で、人が好きで・・・、悪者なんかじゃないもん!と反論したくなります。

製作者もそのあたりを気にしたのでしょうか、続編の「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」では人間にフレンドリーな猫の秘密組織「ニヤオ」というのがあって、エージェントのキャサリンが犬のディッグスやブッチと協力しながら、「悪」と戦います。

この続編の「悪」は、犬を降伏させ人間を支配するために産業スパイをしたり秘密兵器を作ったりしているものですが、「キャッツ&ドッグス」で描かれているような100%の悪ではありません。もともとは「ニヤオ」のエージェントだったキティ・ガロアが、番犬に追われて化粧品工場の除毛液のタンクに落ちてしまい、毛がすべて落ちてしまいます。その無毛の状態を気持ち悪いと思った飼い主から追い出されてしまうのですが、そこで人間と犬に恨みを抱いてしまったのではないかと思うのです。そう思うと、かわいそうな猫ちゃんなんです。ちなみに、演じているのは無毛種のスフィンクスちゃん。耳が大きくて、カワイイ。

続編の面白いところは、映画のパロディが盛り込まれているところです。「キャッツ&ドッグス」に出てきたMr.ティングルスが刑務所にいて、キャサリンやディッグスから教えを請われるところは、「羊たちの沈黙」のレスター博士さながら。除毛液のタンクに落ちるところは、バットマンのパロディとも言われています。

また、「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」では、前作で子犬だったルーが大人になってエージェントの偉いポジションについていて、奥さんと子どももいたり、ルーとコンビを組んだブッチがエージェントを続けていたりしています。このように「キャッツ&ドッグス」からすんなり入ることができる設定も二作通しで観る価値があります。

ちなみに「キャッツ&ドッグス」のブロディー教授役のジェフ・ゴールドブラムは、ママの好きな俳優さんの一人です。古いものもありますが、「フライ」や「インディペンデンス・デイ」、「ジュラシック・パーク」、「ロストワールド/ジュラシック・パーク」などの映画に出ています。個性派俳優のくくりだと思いますが、とっても味のある俳優さんです。

「キャッツ&ドッグス」でも「マッド・サイエンティスト」を彷彿とさせるたたずまいの中に、不器用で愛情深いお父さん像を織り込んだ、きめの細かい役作りをしているジェフ、名バイプレーヤーです。また、「キャッツ&ドッグス」のルー、Mr.ティングルス、キャリコの三役の声は、腹話術師のいっこく堂さんがやっているとか。3人の声優さんかと思った。さすがです。

この二作は、ストーリーはよくあるパターンが多くて先を見通せるようなものですが、明るくてテンポがいいうえに難しく考えずに観ることができるので、スカーッとしたいときにはおすすめの映画だと思います。猫好きさんはちょっと不満があるかもしれませんが、そうしたステレオタイプも、「うちの子とは関係ないもんね」と思って観れば、楽しいかも。

映画情報

キャッツ&ドッグス        ローレンス・ガターマン監督 アメリカ・オーストラリア合作 ワーナーブラザーズ配給 2001年

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争 ブラッド・ペイトン監督 アメリカ・オーストラリア合作 ワーナー・ブラザース/ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ配給 2010年