猫との日常を楽しもう~「ウィリアムのこねこ」の紹介

こんにちは、ママです。今日は、我が家に三つある猫トイレの掃除の日。1~2ヶ月に1回、トイレを水とブラシで丸洗いして、砂を全部入れ替えます。夏は暑くて汗をたくさんかくし、冬は水が冷たいし、三つもあると大変です。でも、窓越しに「頑張れ~」と見守ってくれるゾーイとウーゴのためなら、そんなの何でもない、頑張っちゃいます。

きれいになったトイレは、早速二人がチェックします。合格だと、そのままおしっこをしてくれたりもします。やっぱり、きれいなトイレは気持ちがいいね。自動給水器も洗いました。こちらも三つ。10日に1回のペースで洗っています。容器の溝やモーターの中を綿棒やブラシで丁寧に洗って、フィルターを交換して新しいお水を入れたらおしまい。こちらも、終わると二人が水を飲みに来ます。お水は猫の健康には本当に大切なもの。おいしいお水を用意してあげられることは、ママの幸せでもあります。

ところで、ママのおじいちゃんは、猫が嫌いでした。なぜかというと、抱っこすると手に内臓が触れるからだそうです(苦笑)。おじいちゃんは、ママが子どもの頃に飼っていたシャム猫ちゃんに対しては、つかず離れずの生活をしていました。

でも、一度逃げ出してしまったシャム猫ちゃんを家に入れて温めてあげたり、毎朝早くに訪ねてくるシャム猫ちゃんのために、わざわざ目を覚まして部屋のドアを開けてあげたりするなど、本当は猫が嫌いなのではなかったのだと思います。シャム猫ちゃんが訪ねていったのは、おじいちゃんでなく、おかかをくれるおばあちゃんが朝ごはんの支度をしている台所だったのですけどね(笑)。

パパとママが出会ったころ、ママはパパのことが「孤高の人」に見えていました。冗談が好きで、ちょっと皮肉屋さんで、周りの人と上手くやっていくことが出来る人だけれど、どことなく人を近づけないようにも見え、ママは遠くから様子を見るだけにしておくこともありました。今はぜ~んぜん、そんな感じは受けませんけれど(笑)。

そんなパパから「実は猫を飼いたいと、昔から思っていた」と聞いたのは、結婚してずいぶんだったときでした。えぇ~っ!そうだったの?!早く言ってくれればよかったのに!ていうか、猫好きだったんだ!「孤高の人」だから、ペットに興味がないと勝手に思ってた。ずいぶん勝手な見方でもありますが、その時のママの正直な心の内でした。

でも、パパのことを改めて考えてみると、人と上手くやっていくけれど人を近づけないところなんか、まさに「猫」だよね、とすんなり思えました。それまで見えていたパパと違う人がそこにいる感じがして、とても新鮮な気持ちになったのを覚えています。

ゾーイとウーゴが家族になった今、パパはデレデレです。不器用ながらも、ママと一緒になって二人の歌を歌います。多分、心の中ではもっとデレデレになっているんでしょうけど(笑)。でも、二人のことは、ママが二人を見るよりも一線を引いて見ている感じがします。

さて、今回は、絵本「ウィリアムのこねこ」の紹介です。前回、子どもが一人で読むことを目標にしている大日本図書の「ゆかいな ゆかいな おはなし」シリーズの「ねことバイオリン」を紹介しましたが、今回は引き続き、子ども向け読み物を紹介します。絵本にしては字が多い印象ですが、つい引き込まれるストーリーである上に、登場人物の心の動きを想像すると、「人間って、いいなあ」と温かい気持ちになれる本です。

黄色い背景の表紙には、半袖シャツにつなぎを着てキックボードを持つ赤毛の男の子と、グレーのトラ猫。尻尾をピンと立てていて、きっと子猫に違いありません。表紙を開けると早速、JANUARY、FEBRUARY、MARCH、APRIL・・・と、月ごとの猫の挿絵が並んでいます。全体的にほのぼのしていて、絵が上品かつ繊細なタッチで描かれていて、ママの好きな感じです。

子猫は迷子。でも忙しい大人は子猫に気付かず、通りを行きかいます。急いでなんかいない4歳のウィリアムは子猫を見つけ、話しかけます。子猫は「ミャー、ミャー」としか鳴けないので、ウィリアムは子猫が迷子だとは気付きません。「おひるごはんだから はやく いらっしゃい」と呼ばれたウィリアムは家へ駆け込みますが、子猫もウィリアムがドアを閉める前に滑り込みセーフ。

子猫を飼いたいウィリアムですが、すでに誰かのネコかもしれません。ウィリアムはお兄さんとお姉さんに付き添ってもらって、警察署へ行きます。警察署では、すでに三人、迷子猫の届け出がありました。警察署長さんはその三人に電話をかけ、子猫を見に来てもらいます。はじめに来たのはフィニーさん、「うちの ミニーちゃん」と言います。そこへプールさんがやってきます。「このこは うちの メイだ」。あれあれ、困りましたね。

そこへスミスさんがやってきて、「あぁ、マウサーだ」と言います。どうやら、このこねこちゃん、すでに三人の飼い猫だったのですね。寂しいから猫が欲しかったフィニーさん、店番をしてくれる猫が欲しかったプールさん、ネズミを猫にとって欲しかったスミスさんは、それぞれ、ウィリアムに猫を譲ります。三人とも、これからどうするんでしょう?

大人たちはそれぞれに、素敵な解決法を思いつきます。子猫と出会ったのが5月、そこから、6月、7月、8月・・・と時を重ねて、再び5月のある日、さらなる素晴らしい出来事が!

何気ない日常の一コマを描いたこの絵本、読んでいると、心が穏やかになります。子猫を見つけたウィリアムや猫と暮らして寂しさを紛らわそうとしたフィニーさんはもちろんのこと、店番やねずみ取りを猫に頼もうと思っていた二人も、猫が好きな人たちに違いありません。だって、猫が嫌いだったら、店番は犬や人間に頼むだろうし、ねずみ取りも、ワナを仕掛ければすむこと。きっと、お仕事の傍ら、猫をかわいがりたかった人たちに違いありません。

猫って、いるだけで本当に癒やされます。ママの周りには他にも「僕は猫が嫌い」と言ってはばからない人がいますが、その人は、猫は不気味だから、と理由を言いました。エドガー・アランー・ポーの「黒猫」のイメージなのでしょうか?それは、猫が不気味なんじゃなくて、小説が不気味なの(笑)。

パパのように、猫と似ている猫好きもいれば、ママのおじいちゃんのように、「内臓が・・・」なんてあまり理解されない理由を言うけれど本当は猫が好きな人もいます。だから、潜在的な猫好きはきっとたくさんいるはず。イメージ戦略にはイメージ戦略、猫を不気味だと思っている人には、この絵本に出てくるようなカワイイ子猫に触れる機会を持ってもらえば、きっと猫好きになってもらえるんじゃないかな?

この絵本の作者マージョリー・フラックは、古き良きアメリカを生きた女性。日本語の初版は2005年ですが、膨大な出版物の中からこの絵本が発見され日本にやってくることができて、本当によかった。ストーリーにも絵にも、作者が猫好きなことがうかがえます。何気ない日常に起きた、ウィリアムと子猫との出会い。二人を取り巻く大人たちとの交流。優しさが詰まっています。情緒を育む年頃のお子さんに、ぜひ読んでもらいたい絵本です。

書籍情報

ウィリアムのこねこ マージョリー・フラック 新風舎 2005年