猫のこと、どれだけ知ってる?~「猫に超能力はあるか」の紹介

こんにちは、ママです。突然ですが、猫に超能力はあると思いますか?ママは、あるのではないかと思っています。だって、お仕事をしているとき、「ちょっと席をはずそうかな」と思っているだけで、まだ立ち上がってもいないのに、ママの両脇の椅子にそれぞれ座っているゾーイとウーゴは、行こうと思っていた部屋に先回りして移動します。

ほかにも、パパやママが寝ているときとまどろんでいる時を見分けたり(眠りから覚めると、自分のベッドから動き出す気がします)、そろそろごはんの時間だなと思っただけで、まだ本から目を離してもいないのに、二人とも起きだしてきて、ゾーイなんか押し入れの中で寝ていたはずなのに、思い思いに伸びをしたりするんです。

猫は、飼い主のことをよく見ているといいます。でも、ゾーイとウーゴがママの様子を見ているときは、こちらに顔を向けて見ていることはまれで、目を開いてさえいないこともあります。してほしいことがあるときや遊びたいときにはちゃんと目を開いて、こちらを見てにゃ~と言っているので、見ることができないわけではありません。

「ごはんをあげなきゃな」と思ったときには時計を見たわけでもないし、コソッとでも動いた「自覚」はありません。また、お手洗いに立つときは二人とも無反応なのに、洗濯物を干す二人の大好きな時間は、我先にとベランダの窓へ集合します。同じように席を外しているはずなのに、二人とも、どういうところを見てるんだろう・・・? とっても不思議です。

この記事で紹介する「猫に超能力はあるか?」は、動物学者の著者デズモンド・モリスが長年研究してきた猫の行動について、飼い主の50の質問に答えた本です。「どれほど耳がいいか」「どのようにしてゴロゴロいう音を出すか」といったよくある質問から、「なぜ、すねるのか」「同性愛のネコがいるか」「何がネコ恐怖症の原因か」など、斬新な質問ではあるものの答えがそう簡単にはわからないのではないかという質問も取り上げられています。

「猫飼い初心者さんにおすすめ!~猫の気持ちがわかる本2選」の記事で紹介した本と同じく、猫の行動を解説しているのですが、こちらの本は動物行動学の観点から書かれているので、「なぜ」そうなのか、他のネコ科の動物と比べてどうなのかなど、もっと詳しくて広い観点から、科学的な説明が加えられています。これを読んだら、「猫に超能力があるか」どうかもわかるかしら?楽しみです。

猫の耳のよさやゴロゴロ音の秘密は聴力や声帯のはたらきの説明に譲るとして、「音楽にどう反応するか」という質問があります。我が家のゾーイとウーゴは、エンヤの音楽が大好きです。ママがファンなので、家でもCDをかけていたのですが、CDが始まると、二人ともうっとりした顔をしてハンモックにあごを乗せたり、丸くなって寝たりします。寝るといっても、どこかゆったりしていて、たまに手なんかなめちゃったりして、ちゃんと聞いているんです。また、いつもかけるエンヤのCDの中でも、二人してお気に入りの曲が二つほどあるんです。何が他と違うのでしょうか?

ママが思ったのは、エンヤの曲はスローテンポなものが多いことと、女声の比較的低い音域で作られているところが、二人のツボにはまったのではないかということです。特にお気に入りの二曲は、エンヤの中でも特にスローテンポです。猫はまた、男の人の大きくて低い声を怖がるそうです。キンキン声も苦手ですよね。それに、アップテンポの曲だと誰でもノリノリになっちゃいます。そういったところを全部クリアしているのが、エンヤの曲なのだと思います。

著者によると、高い声は、猫の苦痛の声を似ているなど、音楽の一部分が「ネコ語」と似た周波数を出しているため、猫が苦手としているそうです。なら、エンヤの曲の、自分の声を何度も多重録音した重厚なコーラスは、ゾーイとウーゴには「なめてあげるからこっちにいらっしゃい」っていうお母さん猫の声に聞こえるのかしら?

ママはいつも、猫が安心するという「猫なで声」で二人に話しかけていますが(二人に話しかけた後でパパに話しかけるときの低い声への瞬間変化、自分でも笑っちゃいます)、もしママがもっと「猫なで声」で話しかけていたら、もっとうっとりしてくれるのかしら?こうして考えていると、夢がかきたてられる質問です。

「なぜ、すねるのか」も、とても興味深い質問です。ゾーイ、ウーゴとママの遊びタイムは、朝食後です。朝起きて、ごはんを食べて、ひと段落すると、ママに遊びを催促します。でも、外出で遊びタイムをスキップしてしまう日も。そんな日の出がけはきまって、ウーゴは「ぼくはもう、怒っちゃったんだからね!」といった感じでママを恨めしい目で見てきます。こんなことされると、外出なんか放り出して遊びたくなってしまいます。

猫は、自分が人間よりも劣位に立っていると認識しているので、人間を脅威に感じて目をそらすのだそうです。人間に怒られて「無視する」猫は、ふてくされているのではなく、人間が怒っているのが怖くて目をそらしてしまうのだそう。逆に、じっと見てくるのは、猫が人間を信頼している証だといいます。よく考えれば、人間も、苦手な人とは目を合わさず、好きな人の目は捉えてしまいますよね。

ゾーイもウーゴも、ママの目をまっすぐに見るときもあれば、目が合うとふっとそらすこともあります。目を合わせるときには、決まってしてほしいことがあります。だから、遊ばずに外出した時は、ウーゴは「外出なんかしないで遊んでよ~」と主張していたのかもしれません。

また、ゾーイがママにナデナデされているところをウーゴがたまたま目撃したときも、恨めしそうな上目遣いでゾーイを見ていたことがありました。前、それに気づいたママが「ウーゴ、後でナデナデしようね!」と声を掛けたら、ウーゴははっとした顔をして、恨みがましい目をやめました。まるで、自分がそういう目をしていたのを指摘されてはっとしたかのようでした。これは、どういう意味だったのかしら?

ちなみに、この本の写真は、岩合光昭さんが撮っています。岩合さんは猫の写真を上手に取る方法について、寄稿しています。第一はやっぱり猫を緊張させないこと。そのために、猫に話しかけながら、カメラを向けるのだそうです。NHKの「世界ネコ歩き」でも、岩合さんはずっとネコに話しかけていますよね。基本中の基本。でも、ママがゾーイとウーゴの写真を撮るときは、話しかけながら近づいても、避けられる時があります。「写真撮るよオーラ」が出すぎているのかしら?

もう一つ大切なことは、「実は人間がネコに接待されているということを忘れないこと」だそうです。そうですよね。突然変な人間が近づいてきて、ヘンな四角い板や箱(スマホやカメラ)を向けるのですから、猫にしてみれば失礼なことこの上ない。だから、受けるも拒否するも、猫次第なのです、それが自分の飼い猫であっても。

こうした「写真を撮る」ということも、この本の本編にある猫の動物行動学を参考にしてみたら、猫にも納得して受けてもらえるかもしれません。二人の写真が上手に撮れないママにはとっても貴重な岩合さんの助言です。

自分のネコちゃんのこと、どれだけ理解していますか?この本を読めば、もっと理解できること、請け合いです。「猫の超能力」の存在も判明するかも。

なお、この本は次回紹介する「なぜ、猫はあなたを見ると仰向けに転がるのか?」の続編です。ママはタイトルに惹かれてこちらの本から先に読んでしまったのですが、どちらも面白い本です。次回の記事も読んでね!

書籍情報

キャット・ウォッチング 2 猫に超能力はあるか デズモンド・モリス 平凡社 2009年

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