絵本・漫画・写真集

スイスの画家ハンス・フィッシャーが絵を手掛けた二つの絵本の紹介です。「こねこのぴっち」は、猫以外のものになろうとしたこねこの物語、「長ぐつをはいたねこ」は言わずと知れた名作です。フィッシャーは、にぎやかに、あるいは力強く、ストーリーに彩りを添えています。

石井桃子の絵本「ことらちゃんの冒険」の紹介です。ことらちゃん、わんぱくながらも弟や妹が出来、頼りになるお兄ちゃんに成長します。決して戻ることのない時間の流れの中で、どんな一瞬も見過ごしたくない、というお母さんの気持ちを、石井桃子さんは温かく包み込みます。大人にとっても、絵本は大切です。

「ねことじいちゃん」と同じ作者「ねこまき（ミューズワーク）」さんの漫画「まめねこ」は、絵がほのぼのとしていて、癒されます。あずきは姉御肌だけれど乙女なところもある女の子、だいずはおとなしくて食べるのが大好きな男の子。線の少ないシンプルな絵なのに、猫の表情を絶妙に描ききっています。

宮澤賢治の童話で猫を主題にしている「どんぐりと山猫」、「注文の多い料理店」、「猫の事務所」を紹介します。どの作品も賢治の朴訥さと猫のまじめさがぴったり合っていて、味わい深いです。絵は小林敏也さんがすべて手掛けていますが、同じ人が描いたとは思えないほど、どれも違って見えます。小林さんの創造性に脱帽です。

4歳のウィリアムは、子猫を見つけます。でも、すでに3人も、飼い主だと名乗り出た人がいたのです。子猫は誰のものになるんでしょう？何気ない日常に起きた、ウィリアムと子猫との出会い。二人を取り巻く大人たちとの交流。優しさが詰まっています。

藤田嗣治は、自画像、裸婦像、少女、宗教画が有名ですが、猫の絵も多く残しています。細い線で描かれ、藤田特有の魅惑的な「白」が加減して描かれている少女像や裸婦像に比べ、猫の絵はどことなく日本画の技法を取り入れているよう。ぜひ見比べてみてください。

「猫はワルじゃない」を証明する記事第二弾。怒りんぼの子猫、フーシカは、なかなかみんなと仲良くなれません。あれ？「いい猫」じゃないの？そんなことはありません。フーシカは、おじいさんの危機を、とても心優しい方法で助けます。感涙もののこの絵本、小さいお子さんがいるお母さんにもぜひ、お子さんと一緒に読んでもらいたいと思っています。

猫が悪の権化として描かれている映画「キャッツ＆ドッグス」に不満を持つ猫飼いさん、猫好きさんに、この絵本を読んでもらいたいと思います。優雅で上品なたたずまいで描かれている白猫は、王様の命令を持ってきた王子を正々堂々と助けます。ストーリーの持つ神秘性を存分に表現したこの絵本は、大人でも十分楽しめます。それと、猫は「ワル」じゃありません（笑）。

岩合光昭さんの写真集「ネコライオン」は、猫とライオンを上手に対比していて、同じところや違うところに、たくさん気付くことができます。猫は幼形成熟と言われ、大人になっても子どもの頃のあどけなさを残しています。そこが「かわいい」と認識されるところです。ライオンはそういったところがないのですが、おっちょこちょいなところもあり、笑ってしまいます。

「癒やしネコ」とは、「頑張っているすべての人にささげる　元気が出るネコ本です」。ママは、これまでの人生で自分と向き合って思索を続け、最後にたった一つ残ったものが「愛」でした。そんなママの胸には、「素直」という言葉が響きます。素直になるって、大切だよね。一年の初めという節目の時期に、「癒やしネコ」で思っていることを心の中で整理しました。